・第215回・

N特集!!!

ポケットモンスターブラック・ホワイト1周年記念企画第2弾!

Nの初期設定の一部を紹介。

—–ここから—–

本名、ナチュラル・ハルモニア・グロピウス(Natural Harmonia Gropius)

Nは自然数(Natural number)から。

Nは人を越えている。IQが異様に高い。

数学の魔術師と言われるほど数学に長けている。天才。

頭の回転が速い。感情の起伏が激しい。

人の過去や未来を見ることができる。

ポケモンから生まれた人間だと噂される。(両親は不明)

ポケモンには愛たっぷり、人とは距離を置いている。

自分自身を完全体だと思っている。

ポケモン第一主義的思想。

人間離れしているため、人から恐れられてきた。
そのため、ポケモンとは非常に近い関係性を持っている。

—–ここまで—–

などなど、、、

こういった設定を作ったので、
音楽もその設定に沿って考えました。

まずは、数学の天才ということで、
自身と1以外の約数を持たない数字、1より大きな自然数。
そうです。

「素数」です。

この素数を中心テーマに曲を作りました。

Nの曲には2種類ありますが、
最初に作曲したNとの最後の戦い、「決戦!N」の解説です。

1~2小節 C3(鍵盤の真ん中のドの音)を基準の0として白鍵を1と見立て、
       素数23,19,17,13,11,7,5,3と音が下降します。
       ややこしいのですが、時間軸でも8分音符単位で素数になっていて、
       8分音符を1として、2、3、5、7、11、最後に13で9音が
       縦並びで同時に鳴ります。

3~13   C3(鍵盤の真ん中のドの音)を基準の0として白鍵を1と見立て、
       素数2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19と上昇する音になってます。

       縦8音素数の基準を16分音符で流してます。
       脳内の電気の流れのイメージです。
       軽やかなバスドラ、無気味なベースは王であるNというより、天才を表現しています。

7~10   過去未来が読めるというニュアンスで時計の音で表現。
       7小節と9小節のクローズハイハットで押さえています。

11~13  ドラムがテクノやジャングルというジャンルのように入ります。

14     符点4分(=8分3つ、3=素数)が2つ(2=素数)

15~19  5小節のロングトーン。5=素数。
       スチールドラムの金属的な音でフェードイン、キラキラさせていますが、
       これもNの頭の回転の早さを示しています。(ドーパミン放出!みたいな)
       素数的な意味を持たせているため、コードで動いていません。

20     スチールドラムが巻き戻し的な感じで半音ずつ下がり、音量も減ります。

21~23  3小節(3=素数)

24     スチールドラムが巻いていく感じで音が高くなります。

25~29  5小節。素数。15~19小節とは和声が違うので注意。
       また、15小節には無かったスチールドラムが25小節目から入っているので、
       15~19小節との音量バランスも異なります。

30~33  21~23小節同様。

34~39  テーマが変わる前の一端終了のイメージ。ドラムも弱くなる。
       38~39はテンションをあげたままにしたいので、上に上げてます。

40~55  第二テーマ。
       ベースと同じ音を金属的な音の重ねとパイプオルガン。
       Nとの最後のバトルなので、高尚かつ神秘的なイメージのため、わざとパイプオルガンで、
       このフレーズ。
       金属的な音色にしているのは、リズムパートの代わり。
       オープニングでも使う「声」のつながりとして、声を2つ男性、女性で使ってます。

48~55  バックにSEを。巨大物が回っているような音。低音リズム。

47、53  ここでの音の1つは14小節、24小節がここでも影響していることの表現。

56~67  バスドラムが4分打ちで入ってくる。力強い感じ。
       Nの吹き出す感情。
       冷静なNが心の底から怒りが込み上げてくる感じ。

68~75  感情にプラスして乗りかかる思考(ドラム)。
       強さを表現するため、半音ずつ上がっていく。

76~79  エネルギーの爆発。Nのすべてが解き放たれる。

80~83  そのエネルギーの残り香。そのまま、15小節に戻る。
       このため、プレイヤーのテンションが変化した(上がった)まま、ループになる。
       同じフレーズが1度上がったような別の印象に聞こえる。
       83小節=素数。

いかがだったでしょうか?

Nについて、そしてNの曲について少しでも興味を持って頂けたら幸いです。

出だしの素数の奏でる音。

チャオ!!

・第212回・

9月18日をもちましてポケットモンスターブラック・ホワイトは、
1周年を迎えることができました!
ありがとうございます!

PGLのメンバー数も180万人突破!!バトルも盛り上がってます!
登録されている方、ありがとうございます!

ポケットモンスターブラック・ホワイト1周年記念企画第1弾!

今回はゲーチスについて語っちゃいます!!

敵のボス、悪者の名前を考えるときに、
音楽で悪い音とか不吉な音ってないのか?と、
ふと思い、調べてみると、、、
あるんですね。これが。

三全音(トライトーン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/三全音

「音楽の悪魔」と言われたそうです。。。

で、その音から名前を付けたんです。
どういうことかというと、、、

ソの音、G(ドイツ読みでゲー)
ド#の音、Cis(ドイツ読みでツィス(チス))

この2音の和音が三全音(トライトーン)なんです。

こうやって、ゲーチスの名前は作られました。

もちろん、ゲーチスとの戦闘曲もこの和音にこだわっています。

ティンパニーはもちろん、途中のメロも、声の部分も、
ソとド#、GとCisで形成されるようにしてます。

なかなか、不気味な感じの曲になっているのではないでしょうか?

ちょっと出だしだけ聞いてみましょ。

いかがでしょう?
残念ながら、絶対音感を持っている人じゃないと分からないかも知れませんが(汗)。

次回は「N」の曲について書きますね!

チャオ!

・第211回・

9月19日(月)1日中、名古屋にいました。

何故かと言えば、、、

ファミ通プレゼンツ「PRESS START 2011」という
ゲーム音楽のクラシックコンサートに行ってました!

で、、
舞台で話すことになっていたのですが、、、
時間の関係か、、
ポケモンの話を少しだけしかできず、、、
ひえー、15周年とか、昨日でBW1周年とか、、、
喋りたいことがたくさんあったのに(泣)

まあ、しかし、
ゲーム音楽の魅力が十分に引き出された良いコンサートでした!

いやー、音楽って良いですよね。
個人的にはスペランカー、グラディウス、FF4に感動。。。

やばいです。

あ、もちろん、ポケモンも感動。
アレンジはうちのスタッフ、かげやん。
良い感じ~。

帰りに手羽先食べた。
これまた、良い感じ~。

舞台用スーツで。楽屋にて。
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マスダとかげやん。
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>>PRESS START 2011
http://www.famitsu.com/famiweb/pressstart/

チャオ!

・第209回・

9月4日のMTMライブ、みなさん観ていただけました!?

なんと、3曲演奏!

昔、ポケモンスマッシュ!がポケモン☆サンデーだった時代。
しょこたんがゲームフリークに来て、
マスダに1曲作って欲しい!とお願い。
そこでマスダが作った曲があるんですが、
その曲がMTMライブで演奏されました!

続いてはおなじみ(?)の、
MTM with バトルウーマンM で シロナの曲。

そして、最後は、、、
ビクティニも登場しての伝説のポケモン戦の曲。
子供もびっくり。
超テクノです(笑)

盛り上がったはずです!!たぶん。

しょこたんがブログにアップしてくれましたよ!!
http://ameblo.jp/nakagawa-shoko/entry-11008093892.html
http://ameblo.jp/nakagawa-shoko/entry-11008070267.html

嬉しいっす!

チャオ!

・第202回・

バトル遺伝子M、見ました?

何それ?という人!!
ポケモンスマッシュ!見てないですね??
毎週、見て下さいねー!

先日、7月31日のポケモンスマッシュ!に、
MTM with バトルウーマンMが登場!

マスダ作曲のシロナの音楽を、
映画音楽の宮崎さんが編曲、
それに戸田さんが詞を付けてくださいました。

で、それをバトルウーマンMが格好良く歌ってくれています!
桃瀬美咲ちゃんの変身も見事!

音楽は色々な形にしていただいた方が面白いですし、
それによって可能性が広がるので好きです。

とっても良い感じですよね?

シロナの音楽が好きな方にも是非歌って欲しい。

まだ見てない人は必見!!

バトル遺伝子M、MTM with バトルウーマンM
http://ptcg.creatures.co.jp/column/6693
※クリーチャーズさんのブログから。

ポケモンスマッシュ!
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/pokemon_smash/
ポケモンスマッシュ!次回予告!
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/pokemon_smash/trailer/

ミサッキーのブログ
http://ameblo.jp/misaki-momose/

では!

・第193回・

音楽スタジオに行ってきました!

土曜日はあいにくの雨。

そんな中、東京は赤羽橋駅から東京タワーを横目に音楽スタジオへ!

今年の映画はポケモン史上初の2本上映!
2本同時ではありません、、、2本別々に上映です!!

タイトルは、
「ビクティニと黒き英雄ゼクロム」と「ビクティニと白き英雄レシラム」

そして、音楽はなんと!2人の作曲家がそれぞれを担当!
なんともすごい!豪華です。

ぜひ、2つの音楽を聞き比べてくださいね。

作曲家の宮崎さん、の後頭部!!いつもお世話になってます!
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1人1人の芸術家が奏でる1つ1つの楽器。最高の音楽が生まれる瞬間です。
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こうして素晴らしい音楽が奏でられていきます!

映像とリンクして作曲されて、
しかも、スタジオのモニターにも映像が流れるんです。
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映画音楽ってほんと良いですね。
こういう瞬間に立ち会えるのは本当に嬉しい事です。

と、感動しつつ、帰りには雨の中の東京タワー。
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てっぺんが雲に覆われてます。
そして、この日のライトアップも美しく希望の光のよう。

音楽に感動し、
東京タワーにも感動しつつ。
素晴らしい土曜日でした。

では。

・第181回・

みなさま

新年あけましておめでとうございます。
2011年もよろしくお願いいたします。

おめでたいので、めでたい話しを。
1994年に発売した『パルスマン』の音楽が入ったサントラ
「メガドライブ?ラストアクションヒーローズ」が発売されました!

パチ!パチ!パチ!パチ!!!
嬉しーい!!!!

1994年と言えば、マスダまだ28歳。。。わけー。

このときのマスダはプログラムと音楽、効果音を担当。
低レベルのシステムから、当たり判定、描画まわり、
ラスタースクロール、カラーチェンジなどの演出系、
ボスキャラの動作やサウンドプログラムなど、
さまざまなプログラムを書いてました。
愛しのUNIXマシン上で(笑)

なので、、、パルスマンの曲名がそんな感じになってます。

そのプログラムの合間を縫って、音楽制作!!効果音制作!!

メガドライブはFM音源が入っているので、
面白い音や時間的変化のある音を創ることができました。
少しずつパラメータをいじって、音色を変えたり、
ドラムの音などはエフェクターでいじってからサンプリングするなど、
かなーり、こだわったのを覚えています。
タイトルもドラムはフレーズサンプリングですし。

いま聞くとポケモンっぽい曲もありますが、
本来好きなテクノ路線バリバリです。

ぜひ、買って聞いてみてください!!
(セガストア)
http://ebten.jp/sega/p/4571164389950/

(アマゾン)
MEGADRIVE ~LAST ACTION HEROES~
http://www.amazon.co.jp/dp/B004EE1Z02

あ、ちなみに、
SEGAのメガドライブで開発したこのパルスマン、
いまは、Wiiのバーチャルコンソールでプレイできますよ。
http://vc.sega.jp/vc_pulseman/

杉森さんのセガボイスも。
http://sega.jp/segavoice/vol65/

では!

・第172回・

ディレクターをしているので、音楽を作るのは大変なのですが、
ポケモンの場合、戦闘曲はマスダのカラーが強いので、今回も書いてます。

フィールドや街などは、それぞれの特徴を持たせるという、
いままでと違う表現(不統一感)で作曲してもらっているので、
戦闘曲はどちらかというと、共通の芯を持っているように、、、
王道というか、ポケモンらしい曲にしました。

そういう意味では赤緑の雰囲気があると思います。

そして今回、久しぶりにゲームをスタートしたときの曲も書きました。
そうです、博士がポケモンの説明をしている画面の曲です。

あ、あとタイトルデモの曲も書きました。
こちらは、赤緑デモのアレンジです。

たいへんはたいへんですが、、、
作曲をするって、やっぱり楽しいです。

では!

・第152回・

みなさん、ハートゴールド・ソウルシルバーはエンディングまで行きましたか?

先月、10月28日にハートゴールド、ソウルシルバーの
サウンドトラックが発売されました!

金銀のときにはCDを作らなかったので、
10年の時を経てのCD発売となります。

※先日、ポケモンセンター東京に行ったのですがCDが列んでいて、ちょっと感激でした。

うちのサウンドスタッフのこだわりアレンジと
GBプレイヤーで再現される原曲、、、
なんと、全270曲!!
まじ凄いです!

金銀制作当時は
アミーガというコンピータで作曲し、
MIDIデータをコンバートして、
更にそのデータをコンバートしてゲームボーイで鳴るようにしていたんですが、、、

マスダが自分でプログラムしていたこともあって、
いくつかの曲はゲームボーイで鳴る形式で直接曲を作っていましたから、
MIDIデータが存在せず、再現するのも大変だったと思います。

特にラジオのアンノーンの曲!
音色もプログラムで特殊なこともしていて、
とっても再現は難しかったはず!

3枚組、24ページブックレット付き!
(サウンドスタッフ(マスダ含む)がコメントしてます)
みなさんも是非聞いてくださいね!

チャオ!

・第133回・

以前、プラチナで新曲を作りましたと、書きましたが、
どの曲か分かりました??

答えは「戦闘!ギラティナ」です。
いかがでしょう?

この戦闘曲は、反物質、反対側、生と死、悲しさを中心に、
胴長のギラティナが暴れているイメージで作りました。

あまり曲の解説をすることはないのですが、たまには書いちゃいましょう。

この曲は、降りてくるエンカウント音から、音程が不安定な逆再生音で始まります。
バスドラムは壊れたような破壊的な音に。
これは、ギラティナの重量感を表現しています。
ハイハットはエフェクトがかかったようにして、歪んだ空間のように。
一端、静かにして、不気味に。
悲しい感じのフレーズ。
スネアは、ダララッと高速連続再生して、速度感を表現。
時間や空間が歪んでいるので速度も変化。
ギラティナの怖さ、暴れている感じの表現へと続きます。
そして最高潮へ。ギラティナの強さ、を表現。
落ち着きを取り戻します。

こんなイメージで作りました。

気に入って貰えると嬉しいです。

では。